卓球選手が絶望したルール改正6選
「あの頃はよかった…」ベテラン選手なら誰もが頷く、卓球界の大転換点を振り返ります🐻
ボールサイズ変更(38mm→40mm)
ボールの直径が2mm大きくなりました。たった2mmと思うかもしれませんが、卓球選手にとっては大事件だったんです。
ボールは小さいほうが空気抵抗が少なく、綺麗に回転がかかりやすいという性質があります。そのため、鋭いサーブで一気に得点する「サーブマン」タイプの選手や、あえて回転を抑えた「ナックル変化」を武器にしていた表ソフトラバーの選手たちは、これまでの武器が急に効きにくくなるという大打撃を受けました。
1ゲーム「21本制」から「11本制」へ
ボールサイズ変更の翌年、今度は点数のシステムがガラッと変わりました。サーブ交代も5本ごとから2本ごとになり、試合はよりスピーディーに、よりテレビ映えする展開になりました。
ただし選手側からすると、ネットイン(ネットに当たって相手コートに入る)やエッジ(台の角に当たる)といった「運の要素」がたった1本で試合の流れをひっくり返してしまうため、1点1点にかかる緊張感が一気に倍増しました。
サーブ時の「フリーハンド(隠しサーブ)禁止」
サーブを出す瞬間、ボールをトスした側の手(フリーハンド)でインパクトの瞬間を隠すことができなくなりました。それまでは、フリーハンドや体で巧みにインパクトを隠し、相手に球種を読ませない「魔法のようなサーブ」が主流でした。
このルール改正の目的は、サーブだけで簡単に点数が決まってしまう展開を減らすことでした。しかし選手にとっては、フォアサーブを打つときの体のバランスの取り方そのものが崩れてしまい、「出しにくさ」に苦しむ選手が続出しました。
「スピードグルー完全禁止」
ラバーに有機溶剤を含む接着剤を塗る「スピードグルー」が完全にシャットアウトされました。当時の卓球場や遠征先のホテルは、どこもシンナーのような匂いが漂うのが当たり前で、バッグの中まで匂いが染み込むほどでした。飛行機の手荷物検査で没収されてしまうこともあったそうです。
完全禁止になった結果、メーカーは最初からスポンジを膨張させた状態で作る「テンション系ラバー」を開発する時代へと突入しました。これが結果的に、用具の価格高騰にもつながっていきます。
ボールの材質変更(セルロイド→プラスチック)
火災の危険性が高いセルロイド素材のボールが禁止され、プラスチック製(ノンセルロイド)の「プラボール」へと切り替わりました。多くのベテラン選手や関係者が「最も過酷なルール改正」と口を揃える出来事です。
何より問題だったのは、切り替え当時、世界的にプラスチックボールの製造体制がまったく整っていなかったことです。各メーカーの品質にバラつきが激しく、値段も高騰し、そもそも手に入りにくいという大迷惑な状態がしばらく続きました。さらにセルロイドと比べてスピードも回転も明らかに落ちてしまい、多くの選手が「まるで全く別の競技になってしまった」と感じるほどの大激変でした。
ブースター(補助剤・油)の後加工禁止
プラボール化によってスピードと回転が落ちてしまったことを補うため、ラバーの裏側に油(補助剤)を塗ってスポンジを膨張させる「ブースター」という手法が流行しました。「用具のドーピング」とも呼ばれ、塗ることで打球感がまったくの別物になると言われています。
ルール上は「ユーザー自身が後から塗る行為」は禁止とされました。しかし、揮発してしまうスピードグルーと違い、検査での検出が極めて難しいのが実情です。そのため現在では「メーカーがあらかじめ塗った状態で販売するものはOK」という、なんとも曖昧な暗黙の了解のジャンルになっています。

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